コミュニティマネージャーとは?どんな仕事?

コワーキングスペースの中には、コミュニティマネージャーを常駐させているところもあります。あまり耳にしない職業ですが、コワーキングスペースにおいては重要な役割を果たしています。ここでは、そもそもコミュニティマネージャーは何をする職業なのかなどについてご説明します。
コミュニティマネージャーとは
コミュニティマネージャーとは、オフライン(ネットに繋がっていない)・オンライン(ネットに繋がっている)に関係なく、顧客や利用者のコミュニティ形成をうながしていく職業です。
コミュニティマネージャーには、大別して「ソーシャルメディア関連の企業で働くコミュニティマネージャー」と「コワーキングスペースで働くコミュニティマネージャー」の2種類があります。
ソーシャルメディア関連の企業で働くコミュニティマネージャー
現在、アメリカなどを中心にソーシャルメディア関連の企業でコミュニティマネージャーが活躍しています。こういった企業で働くコミュニティマネージャーは、自社の製品やサービスを購入してもらうために、TwitterやFacebookなどのSNSを活用したり、実際に交流会などのイベントを開いたりして、顧客と企業が交流する場を提供・運営することで、コミュニティの形成を図っています。自社のファンを増やすためにコミュニティを管理する仕事とも言えます。SNS運用における効果検証、コンテンツ作成、カスタマーサポートなど業務内容は多岐に渡ります。
コワーキングスペースで働くコミュニティマネージャー
コワーキングスペースのコミュニティマネージャーは、異なる業種・職種の人の間にコミュニティを形成するために、交流会やパーティなどのイベントを企画・運営したり、利用者の話し相手になったりしながらコワーキングスペースを管理・運営しています。
例えば、話しかけたい人がいるのに声をかけられないでいる利用者を見て、間を取り持つこともあります。コミュニティを広げること以外にも、形成したコミュニティを育成・管理することも大切な仕事になります。コミュニティ内で不適切な行動や発言をしている人に上手に対応したり、利用者同士のトラブルを解決したりしています。また、最近では起業相談や資金調達の支援、Webプロモーションの手伝いなど専門的なスキルを活かしているコミュニティマネージャーもいます。
コワーキングスペースで働くコミュニティマネージャーは、コワーキングスペースの運営者が兼任することもありますし、雇われることもあります。ちなみに世界的に有名なコワーキングスペース運営会社「WeWork」は2018年から日本に活動範囲を広げ、現在もコミュニティマネージャーの募集をしています(2019年5月現在)。
コワーキングスペースで働くコミュニティマネージャーの必要性
コワーキングスペースを運営していく上で、仕事や勉強をしやすい環境作りも大切ですが、それに加えてコミュニティの形成や育成、管理は欠かせない要素です。そこで、重要になるのがコミュニティマネージャーの存在です。
利用者から見たコミュニティマネージャーの必要性
利用者からすると、働く環境を選べるのであれば、自分の好きな環境で好きな人たちと働きたいですよね。例えば、営業の電話をかけ続けている利用者がいるといったような場合。営業の電話が気になって仕事に集中できないという利用者がでてくるかもしれません。
そういう状況が続くようであれば、どんなに設備が充実していて見た目を気に入っていたとしても、そのスペースの利用をやめてしまうこともあるでしょう。しかし、コミュニティマネージャーが上手く対応してコミュニティを管理できていれば、スペースの利用をやめずに済みますし、そもそもそういった不満や悩みを感じることはなくなるでしょう。
また、先ほども例としてお伝えしたように、話しかけたい人がいればコミュニティマネージャーが間を取り持ってくれることもあります。例えば、ビジネスを始めるに当たってホームページを立ち上げたいけれどノウハウやスキルがないといった場合にはコミュニティマネージャーに相談してみてください。コミュニティマネージャーの知っている範囲内ではありますが、他の利用者でノウハウやスキルを持つ人を紹介してくれるでしょう。
経営者から見たコミュニティマネージャーの必要性
コワーキングスペースの経営側からしても、コミュニティマネージャーの存在は重要です。雑談ばかりしたり、電話の話し声が絶えず続いたりするような環境・コミュニティでは仕事もはかどりませんよね。仕事場を選ぶときには、そんな場所よりも適度に雑談してリフレッシュしたり情報共有したりするような良質なコミュニティのある場所がよいと思うでしょう。
そうした中で、働きやすい環境や良質なコミュニティの形成・管理をしてくれるコミュニティマネージャーがいれば、スペースの利用を続ける人が増えるのはもちろん、新たにスペースを利用したいという人も増えやすくなるはずです。経営を考えるときには、利用者の獲得は重要な要素ですから、利用者を獲得しやすい環境・コミュニティ作りをするコミュニティマネージャーは重要な存在になるというわけです。
また、コミュニティマネージャーの仕事はそれだけではなく、コピー機の紙や、飲み物などを補充するなどの日常的なタスクもありますし、ホームページやSNSで情報を発信して集客を行うこともあります。こうしたことから、コミュニティマネージャーはコワーキングスペースの経営・運営には欠かせない存在と言えるでしょう。
もちろんコミュニティマネージャーがいるから良質なコミュニティができるとか、いないからコミュニティの質が悪くなるといったわけではありません。コミュニティマネージャーがいることによって、良質なコミュニティができやすいということですので、その点は注意しておいてください。
以上、コミュニティマネージャーについてご紹介しました。最後にコミュニティマネージャーの仕事内容をおさらいしておきましょう。
・コミュニティの育成や管理をする(苦情への対処も含む)
・会員同士のトラブルを解決する
・適切なビジネスマッチングを助ける
・利用者同士の交流会やイベントを企画・運営する
・オフィス用品や飲み物などの補充をする
・コワーキングスペースのホームページやSNSを運用する
コワーキングスペースを管理・運営するコミュニティマネージャーの存在は利用者からしても、経営者からしても重要な存在ですね。コワーキングスペースを利用する、経営する人はこうした仕事をする人がいるということを知っておくとよいかもしれません。